近代バレーで最も考察が必要な概念は「テンポ」と「スロット」であると感じている。
VOLLTEXではスポーツリズムトレーニングというアプローチ、そしてバレーボール学会が編集しているバレーペディアという知見をお借りし、「テンポ」に関して再定義を行ってみた。
「テンポ」概念の二重性:heureとtemps
バレーペディアでは、テンポを以下のように定義しています:
– 1st tempo: セッターがボールを触る前にスパイカーがジャンプする速攻
– 2nd tempo: セッターがトスを上げてからスパイカーがジャンプする通常攻撃
– 3rd tempo: 高いトスでスパイカーがタイミングを合わせる攻撃
この定義は正確であり、バレーボール界の共通認識となっています。
しかし、VOLLTEXの研究により、「テンポ」という言葉には2つの異なる意味が混在していることが明らかになりました。
heureとtempsの区別
ヨーロッパの言語学・音楽理論では、時間概念を2つに区別します:
heure(ウール):時刻、瞬間、タイミング
– ギリシャ語「ὥρα(ホーラ)」に由来
– 「特定の時点」を指す
– 英語: timing
– 音楽:個々の音符を打つタイミング
tempus(テンプス):時の流れ、速度、テンポ
– ラテン語「tempus」に由来
– 「全体の速度・リズムの流れ」を指す
– 英語:tempo, time
– 音楽:楽曲全体の速さ(Allegro, Andante等)

バレーボールにおけるheureとtempus
バレーペディアの「1st tempo, 2nd tempo, 3rd tempo」は、実は2つの意味が重なっています:
heure的側面(技術):
– 「スパイカーがジャンプする瞬間のタイミング」
– トスに対する個人の時間調整
– 習得対象:個人技術
tempus的側面(戦術):
– 「チーム全体の攻撃の速度」
– 相手守備の時間を奪う速さ
– 習得対象:集団戦術
VOLLTEXの貢献は、この2つを明確に分離し、それぞれ異なる発達段階で指導すべきことを示したことです。

その土台となるリズムとは?
リズムとは自分自身の動作を環境に適応させる為の能力、VOLLTEXでは身体OSと呼びます。


